木洩れ陽、果物、機関車
波多野裕文
さあ行こうぜ
ドアが開いたら
退屈にさらわれるまえに
エレベーターは降り続けている
5min.25sec.かけてゆっくりと
エレベーターは降り続けている
5min.25sec.の次にとびこむ景色は
木洩れ陽、果物、機関車
風に遊ぶ動物たち
青くて大きいの ふたつ
ホームランボールは
浮かんでいるはず
エレベーターは降り続けている
5min.25sec.かけてゆっくりと
エレベーターは降り続けている
5min.25sec.の次にとびこむ景色は
木洩れ陽、果物、機関車
風に遊ぶ動物たち
青くて大きいの ふたつ
ホームランボールは
浮かんでいるはず
紙幣が印刷される速度で
年老いていくしわしわの赤子へ
少年はいまエレベーターにいる
思い出は部屋に残していけ
好きなものだけで
ハッピーバースデーから
レストインピースまで
埋め尽くすだけ
木洩れ陽、果物、機関車
悲しいことはひとつもない
青くて大きいの ふたつ
ホームランボールは
浮かんでいるはず
エレベーター開いたら
さあ行こうぜ
花をまきちらして