ランニングハイ
「理論武装で攻め勝ったと 思うな バカタレ!」
「分かってる 仕方ないだろう 他に打つ手立て無くて」
「威勢がいいわりにちっとも 前に進めてないぜっ」
「黙ってろ! この荷物の重さ 知らないくせして」
向こう側にいる内面とドッチボール
威嚇して 逃げ回り 受け止めて 弾き返す
「もう疲れた誰か助けてよ!」
そんな合図出したって 誰も観ていない
ましてタイムを告げる笛は鳴らねぇ
なら 息絶えるまで駆けてみよう
恥をまき散らして
胸に纏う玉虫色の衣装を
はためかせていこう
苛々して仕方ない日は
疲れた体を 都合のいい恋にあずけて
終われば 寝た振りして
あれっ 俺ッ 何してんだろう?
忘れた 分からねぇ
太陽が照りつけると やけに後ろめたくて
前倣え 右へ倣えの欲望
気付けば要らんもんばかり
まだ間に合うかなクーリングオフ
亡霊が出るというお屋敷を
キャタピラが踏みつぶして
来春ごろにマンションに変わると 代理人が告げる
また僕を育ててくれた景色が 呆気なく金になった
少しだけ感傷に浸った後
「まぁ それもそうだなぁ」「まぁ それもそうだなぁ」「それもそうだなぁ」
時代とか 社会とか 無理にでも敵に仕立てないと
味方を探せない 愉快に暮らせないよ
仕組んだのは他の誰でもない
俺だって 自首したって 誰も聞いてない
まして罪が軽くなんかならねぇ
なら 息絶えるまで駆けてみよう
恥をまき散らして
退きどきだと言うなかれ素人!
まだ走れるんだ
息絶えるまで駆けてみよう
恥をまき散らして
胸に纏う玉虫色の衣装を
見せびらかしていこう