初冬 ~記憶の欠片~
Shunsuke Kiyokiba, Shota Nishihiro
朝 親父からの連絡 婆さんが亡くなりました
温かい珈琲の香りも どこかへ消えて
いつだったか数年前 親父からの伝言
「婆さんに逢っとけ」 逢えた事を嬉しく思う
娘の顔も忘れて 孫の記憶も無いまま
手探るように繋ぎ合わせて たまに戻る記憶の欠片
夜 通夜へ向かう途中は 何度も道に迷いました
隣に座る小さな体に思わず泣けてしまって
暗闇を彷徨いながら 貴女も寂しかったろうと
両手を合わせて祈りました 'ずっと母を守って下さい'
産まれてから死に逝くまで 何を感じ何を学ぶのか?
肉体から魂が抜ける時 人は何を描くのか?
産まれてから死に逝くまで 何を目指し何処へ向かうのか?
まるで今にも目を覚ますかのように
清らかに貴女は美しかった