街灯劇
Keina Suda
満たされるほどに影は伸びていく
その理由だけが どうも有耶無耶に
暮らしは今日も 倦みゆくのに
癒えない傷がこうも熟れていく
あなたと過ごした 小さな部屋
隔てた透明を覚えている
不格好な絵を 拾い上げて
あなたは笑った すべてを許すように
空になってしまえたらいい
朝まで踊ってむなしくなってしまえ
そしたら あたし こんな思いをして
無理に笑わなくていいのかな
すれ違うたびに肩を落とした
その理由だけは 今日もあやふやに
街行く姿を重ねるほど
幼く無垢なままであれたら
あなたが育てた さみしさは
猫の目のように変わりゆく
偽物になった 毎日に
別れを渡した あなたと同じように
空になってしまえたらいい
ひとりを抱いて苦しくなってしまえ
それなら ふたり こんな思いをして
日々に焦がれなくていいのかな
空になってしまえたらいい
朝まで奪って むなしくなってしまえ
そしたら あたし こんな街を捨てて
君の横で笑っていいのかな