誰もいない
Shinji Tanimura
忘れ去られたベンチの上に
真赤な夕陽がのびてくる
黄色く変わったポプラの枝を
ただ秋風がなでてゆく
愛の言葉を交わした人も
うとうと昼寝をしていた人も
誰もいない 誰もいない
忘れ去られたベンチの上に
読み棄てられた新聞紙
ただ何となく読む気もせずに
見上げた空のいわし雲
誰かを待っているようで
流れてゆくのも悲しそう
誰もいない 誰もいない
忘れ去られたベンチの上に
あなたを待っている私
忘れ去られたベンチのように
一人ぼっちは恐いから
早くあなたが来なければ
季節が変わってしまいそう
肩が寒い 肩が寒い
肩が寒い 肩が寒い