満月のフォーチュン
Yumi Matsutoya
街路樹をざわめかせて
何か来る 春の夜
満月をよぎる雲の
ストロボに照らされた
あなたがあなたでなく
私が私でなく
銀色のエンジェルが 矢を放つ前の
永遠の一瞬が 二人のはじまり
待ってたのかもしれない
このときを いつからか
友達とちがうサイン
気づかずに投げ合って
ジグソーのかけらの
最後をきみにあげる
動き出すフォーチュンに 飛びのる勇気を
確かめるまなざしが 二人のはじまり
あなたがあなたでなく
私が私でなく
銀色のエンジェルが 矢を放つ前の
永遠の一瞬が 二人のはじまり