川景色
Yumi Matsutoya
川風は草を吹いて
ボンネットをすべって行った いくども
初夏の日は車とめて
腕の中で野球を見ていたわ
水面がまぶしすぎて
なさけない顔になる
あなたが好き
あなただけが大事だった素敵な季節
じっとしてね ちょっとだけ
光と影ゆらさずに
恋が消えてしまったら
この景色も消えるから
切りたての髪をおさえ
今日も強い風の堤防おりれば
想い出はとび石の数
たぐりながら渡って向う岸
流れが音をたてて
足元あやうくする
あなたのあと
あなただけについて行った夢中の季節
ときめいてね ときどきは
私のこと考えて
恋が過ぎてしまっても
この川辺を走るなら
じっとしてね ちょっとだけ
光と影ゆらさずに
恋が消えてしまったら
この景色も消えるから
ときめいてね ときどきは
私のこと考えて
恋が過ぎてしまっても
この川辺を走るなら