カーテンコール
Yama
筋書きのない恋に落ちよう
開かれるのを待つ本のように
綻ぶ口元 隠された痣も
刻み込んで 幕が上がる
花が落ちて
蒼に染まる
窓は何を映す
時の流れが
狂っていく予感
静かに燃えてる
霧がかかる
景色がすっと晴れる
そんな朝に
木漏れ日が差して
駆け出したくなった
春は短い
触れられない果実
途切れることのない魔法
痺れている頭の中
逆さまに見える影
筋書きの無い恋に落ちよう
美しい結末じゃなくても
降りていく幕があなたを隠し
明かり消えるまで
星が降りそそぐ空の下
少し湿った風に吹かれて
言葉は宙に消えてった
静か過ぎる夜だね
水溜まりの便箋は
溢れるのを待つように
睡蓮は揺れる
日陰では咲けない想い
陽射しを避け
滑り止めの効かない道を下る
漂う香りにあなたを求めても
ひとつになれない
筋書きの無い恋に落ちよう
美しい結末じゃなくても
降りていく幕があなたを隠し
明かり消えるまで
眠れない夜も抱きしめよう
水平線は明日に消えていく
欠けている月を見上げて
今はひとり手を伸ばした