故郷になってください
Kazushi Miyazawa
短い夏が置き忘れた悲しみを
拾い集めて読みかけの本にはさむ
いつかは
この雨が止むことを知ってても
虹を待ち焦がれて
裸足で駆け抜けた道
僕の故郷になってください
帰る道を僕にください
なぜか涙があふれる夜は
祈る星を僕にください
ほころびかけたこの胸に沈む夕日
手を伸ばしても届かなかったあの空
今まで乗り越えた
いくつもの悲しみは
「本当の悲しみじゃなかったね」
と風が言う
僕の故郷になってください
帰る道を僕にください
僕の故郷になってください
帰り道を僕にください