涙に沈む太陽
akimoto yasushi
夏に燃えた恋だから
灼けた肌が醒めるように
誰もいない砂浜を
私は一人で歩く
寄せる波 白い泡
思い出は もう冷たい
夢はいつも中途半端
最後まで見られないもの
一瞬だけの花
夏に燃えた恋だから
キスは少ししょっぱくて
そっと噛んだ唇が
あなたを忘れていない
胸の奥 切なさを
しずめたいテトラポッド
愛はまるで過ぎた台風
晴れた空は他人事ね
記憶だけが花
夏に燃えた恋だから
今は何も残らない
海の家も監視台も
あなたも波の彼方
夢はいつも中途半端
最後まで見られないもの
一瞬だけの花
いつのまにか 終わってた
恋はもう遊泳禁止
愛し合ったあの夏は
寄せては返すさざ波
涙に沈む太陽