空手
miyamoto shinji
怒りと言うより悶えあがく
浅い水に足を入れ溢れ出した
濁り水一面
足の裏剌さるガラスの破片
ブロック塀崩れてる其処蹴り広げる
攀じ上り奇声をあげては
飛び下りる形競う
空手の型やらせては笑い
密かに真似る
空手今正に見てる夕焼けと
共に強烈に残る記憶
アーケードの屋根開けて歩く
ポケットから食み出した
ガラクタ落とし穏やかな午後に
野菜売りのお婆さんの声響く
リアカーの車輪軋む音
いつまでも聞こえた
潤んだ眼球に意味はなく
吐き出す言葉にも
ただ点と点重なる
時揺れ始める感情記す
空手今正に見てる夕焼けと
共に強烈に残る記憶
風穴塞ぐその手そっと
放し戻す確かめる痛み
心は進み足は戻る
繰り返すうち挙動不審