さよナラ
Tota Kasamura
おおかみのナラ にんげんのさよこ
森であそぶ ふたりは友だち
海にいったり 花をつんだり
きのこをかたてに 笑いあうふたり
おおかみはてき にんげんを食べる
だいたいの人 そう思ってる
いつか離される ぜんぶわかってる
それでもいま 笑う
「いつまでもいっしょ」
きっと生まれかたを まちがっちゃったんだね
やさしいふたり やくそくをした
"たとえふたりが 引きさかれても
何もうらまない 何もにくまない"
さよこの母さん しんぱいした
おおかみなんて 近づいちゃダメ!
さよこの父さん てっぽうもって
ナラをうった
ふたりは友だち
そのあとのさよこ ひとしきり泣いて
もう二度となまえは よべなかった
せめて願った 私がひとりのとき
あなたはひとりでいないといい
天国のナラ ひとしきり泣いて
もう二度となまえは よべなかった
せめて願った 私がひとりのとき
あなたはひとりでいないといい
何をうらむでもなく
何をにくむでもなく
ナラとさよこ
ふたりはさよナラ