まっさら
白いことが無垢なら
煤けた私は汚泥か
黒いことが悪なら
焦げ付く私は罪人か
色付くことが生なら
無色の私は虚空の塵か
虚無か 虚像か 何れにせよ
一寸先は闇
向かい合うことで
笑い合えるなら
見つめ合うことで
認め合えるなら
まっさらな命で
生まれたら良かったのに
まっさらな命で
生きていたかったのに
まっ黒の世界で
真っ赤に燃える陽を見て
全く理不尽な
命が今日も続いてく
素直なことが善なら
捻れた私は悪魔の角か
個性か 理性か 何れにせよ
醜悪に違いない
笑い顔のままで泣くことも
泣き顔のままで笑うことも
できない できない
何にもできないまま
日々は無為に過ぎて行く
曇り空の星 井戸の底の虫
飾られなかった風景画
壊れた時計 冷めた紅茶
それでもそこにあるもの
無垢なままここにあるもの
迷子のままだって
歩けば良かったのに
迷子のままだって
何か見つけられたのに
まっさらな命で
生まれたら良かったのに
まっさらな命で
生きていたかったのに
まっ黒の世界で
真っ赤に燃える陽を見て
全く理不尽な それでも
後悔ばかりでも構わない
私は 貴方は
私たちは今日も生きて行く
まっさらな命で
今日も生きて行く