さくらさくら
康陽 小西
さくらさくらいろはにほへと
さくらさくらいろはにほへと
さくらさくら板の木の下で
わたしは恋を知りました
あれは19の春のこと
桜吹雪の頃のこと
帝国ホテルのあの部屋で
わたしは恋を知りました
さくらさくらいろはにほへと
さくらさくらいろはにほへと
花の命は短くて
男はみんな嘘つきで
いろはにほへと散りぬるを
てなことおっしゃいましたかね
むかしの人は言いました
桜の花の満開の
下には屍が埋まってらい
わたしの恋も散りました
お花見・やけ酒・桜もち
上野の森には桜が満開
千鳥ケ淵にも桜が満開
いろはにほへと散りぬるを
てなことおっしゃいましたかね
さくらさくらいろはにほへと
さくらさくら
帝国ホテルのあの部屋で
わたしの恋は散りぬるを
帝国ホテルのあの部屋の
鏡にルージュで書きました
いろはにほへと散りぬるを
いろはにほへと散りぬるを
てなことおっしゃいましたかね