ヴィーナス
Ryuutarou Kihara, Takao Tajima
熱い陽射しに
飛び込む僕は
揺れる波間に
溶けて消える
風に抱かれて
思い出すのは
笑うふたりの
褪せたフィルム
眼を閉じて
甘い
口づけは
遠い夏のかけら
溢れる光に包まれて
僕達は影を見失った
過ぎ去った日々か
限りなく
鮮やかに
夕闇の空に
蘇る
焼けた素肌に
飛び込む僕は
揺れる谷間に
溶けて消える
打ち寄せる悲しみに
溺れる夜は
青い波間に
深く深く
眼を閉じて
甘い
ありふれた
遠い夏のかけら
溢れる光に包まれて
僕達は影を見失った
時間より速く
駆け抜けた
君は今
暮れかけた空に
浮かんでる