雨上がりの希望
Masafumi Gotoh, Takahiro Yamada
降り出した雨がいつかの悲しみを 日々に流さないように
土に包まって芽吹きを待った 雨上がりの希望
雨降りに誰かのささやかな涙を辿り
晴れの日の道路で 干涸びた小さな雨蛙
灰色を向こうまで 追い出した青色が見える
はじまりの合図が僕を今照らす
街路を飾るタイルを避けて
顔を出す小さな生命が眩しく光って
ひび割れた底で いつかの踞る君が乾かないように
土に包まって芽吹きを待った 雨のない間も
うす染めの藍 響くような空の
旅立ちのチャイムが鳴り出して 僕を呼んでいた
泣いたって怒って塞いだって 進まないだけ
街路を飾るタイルを避けて
顔を出す小さな生命が眩しく光って
降り出した雨が いつかの悲しみを日々に流さないように
今は此処で芽を出すことを誓う
降り続く長い雨の最後に 静かに種が顔を出すように
土に包まって芽吹きを待った 雨上がりの希望