卑弥呼外伝
日輪昇り 山河目覚め
日々に芽吹く 人の心
わが命 選びしは
この場処か この時か
悠久を辿る果ての
如何な世にも 出づる惑い
赤裸々の たましいは
無限なる 万有の
核となる 陰と陽(ひかり)
響き合え 共にある
慶びの 遠き波動
孤独ゆえに満ちる夢よ
奴婢のように君を恋うる
風を聴け 月を読み
ああ卑弥呼 緋の涙は
御身が最後に残す声
後の世まで 刻む日章
われわれを 選びしは
この國の この時代
繋がれた 血の理
掬い出せ 濁流の
泥の中 点る炎
終わりの来ぬ平安へと
巫女のように君を崇む
岩砕け 波を知る
ああ卑弥呼 渡す祝詞(ことば)
地上に交わる 祈声
踊レ手弱女 産メヨ火ノ國
美シ紅焔 倭國マホロバ
唄エ益荒男 栄エ火ノ國
尊シ旭日 大和トコシエ
響き合え 共にある
苦しみの 永き記憶
孤独ゆえに満ちる愛よ
神のようにわれを殺せ
ああ卑弥呼 ... ああ卑弥呼 ...
風を聴け 月を読み
ああ卑弥呼 緋の涙は
この身が最後に捧ぐ唄
天は裁きを
下すことはできぬだろう