アイスクリームコンプレックス
白い吐息に寝静まる街 かじかむ指を温め
水銀灯の下を起こさないように つま先立てて歩いた
暗い夜道を見渡せるように
一番背の高い木の上で 待ち合わせしようよ
銀世界の歩道は 描きわすれのスケッチみたい
拾い集めたサンタの忘れ物
いつの間にだろう 冬の匂いに目が覚める
(抜き足は抑えられない
スキップに変えたらメゾフォルテ
もうすぐ君に会えるんだ!) wow-wow
怖い空がおどけていく
世界は 子どもがこぼしたアイスクリームみたいに
暗い夜に星散らせば 甘い甘い夢のはじまり
恋や偽物のアイラビューに泣いた 微熱を冷まして!
冷たい夢はおいしいに決まっているから
止められないな
ごくん ひとつ飲み干したら アイスクリームコンプレックス
幸せと不幸なんて辻褄合わせの関係で アップルパイに入れるシナモン
そのままじゃとても食べられたもんじゃない
この世界に不要なものなんてひとつすらないんだ
だってナイフとフォークで切り分けた どれもに頬を落としそうで
きっとボクらも もちろん君も
必要としてもらえる日々が どこかにあるんだ
時が経てば 君も どうして大人になっちゃうの?
まだまだ不思議や夢をみたいよ
嫌なことは小さじ1杯から2杯まで 今日のシチューに混ぜこんちゃえばいい
泣いたら笑えるだけ笑い 白昼ぐっすり サンタマリア
そしたらまた目を覚まして let's party!!
内緒話も 恋も この世界も
食後に出てきたシャーベットみたいで
一度食べたら病みつきで ボクは少し怖くなっちゃいそうだ
枕元にある続きがどんな結末だとしたって
冷たい夢はおいしいに決まっているから
止められないや もう一口だけ
ああ
一生続いてよ この不幸も
きっと明日生きるのに必要なものなんだ
そうだよね? ねえ! ねえ! ねえ! ねえ! ねえ! ねえ!
ハンドベルで合図 デザートはまだ!?
遅いなあもう 喰らいつくしちゃお!
手につかない ボクらはみんな
アイスクリームコンプレックス