銀の涙
菜摘 只野
そう雨の中滑る足で行き急ぐ街
ああ濡れている犬のよう
生きてる証拠の淋しさ
もう怖くない
そんなふうに言ったって怖い
勝負のときかるい靴で飛び超えたい
素直になれないクセを
笑いとばしたきみ
迂闊にも好きになった
孤独でいるより胸が痛い
愛を知るのは
そう近くから
覗く瞳は星みたいだな
ねぇ理屈さえなくすほど
見つめたことなんてなかった
さぁ時は行く夢もたまに壊される
廃虚の跡膝をかかえそばにいたい
笑えるときつらい時
少しだけ泣くきみ
抱きしめて耳をすまそう
どうしたんだ今日は
銀の涙雨がやまない
みんな同じ
それってやっぱり違うだろ
かたちが違うからパズルが噛みあう
素直になれないクセを
笑いとばしたきみ
抱きしめて耳をすまそう
どうしたんだ今日は
銀の涙雨がやまない