さざえ
Ken Yokoyama
忘れはしないよ あの季節を
笑顔の写真は 嘘つきだな
さざえの貝殻 耳によせりゃ
きらめくあの夏が蘇る
永遠に続くものと 信じて疑わなかった
呆れるほど 暑苦しいほど 傍にいたのに
夏の日よ 夏の日よ
何もかも奪い 去り行くのか
メニューにないもの 頼むのやめよう
居抜きの喫茶店 知らぬ顔
鎌倉は昼下がり 日傘の花咲く路地
陽炎の向こう側に 幻影を見た
夏の日よ 夏の日よ
抜け殻だけ残し 去り行くのか
心は叫ぶ 荒波のように
止めどなく 止めどなく
この胸の涙 止めどなく