特別な夜
Noriyuki Makihara
海外暮らしに運送業
正月以外休みないやつ
靭帯2カ所も切ったやつ
ペースメーカー入りのやつ
小さなクラス会みたいな
飲み会に集まったみんなは
冗談の間に本当の
気持ちを忍ばせて
よく知ったいつもの顔ぶれだけど
知らない事がたくさんあった
一人で頑張っている
気持ちでいたけれど
そうじゃないって気づけた
特別な夜だった
仲間の一人の一周忌
今日の昼間に墓参り
お供え物を来年は
どうするか話した時
あいつは昔こんなだった
この子はこんな子だったなと
思い出すうちに時間が
あの頃に戻った
同じ制服を着て過ごした
日々があった事に感謝した
一人で頑張っている
気持ちでいたけれど
そうじゃないって気づけた
特別な夜だった
店を出てじゃあまたと
手を振って
それぞれの家がある
場所に戻ってく
電車もバスもここを中心にして
放射線描いて伸びてゆく
一人で頑張っている
気持ちでいたけれど
そうじゃないって気づけた
特別な夜だった