前夜
窓の風が部屋のほこりと髪を揺らした
どうしてもまだ明日を今日にはしたくないなぁ
時計がご機嫌を損ねて針を急に回したみたいだ
そう遠くへは行かないで
午前0時を過ぎれば
あなたも同じ今日に辿り着くのだろう
それがたまらなく嫌になった
私たちの恋を言葉だらけにしないで
消えていった今日に
愛することと諦めることの
区別がつかなくなった
終わることばかりを考えてしまうような
夜の闇の中で 私はそっと
テディベアの横で眠る
途切れ途切れに流れてくるラジオミュージック
悲しい歌に希望の歌詞なんて乗せないで
私だけが幼いまま置き去りになってしまったみたいだ
大人びたのは髪の匂いだけ
いっそこのまま
思い出にならない方がいいね
忘れたい記憶を 一体なんと呼べばいいの?
拠り所を失った想いは人知れず宙を舞った
真夜中の孤独は誰にも救えない
このままさよならための夜明けは来ないで
綺麗だったはずの
街の景色も今や涙とため息の中
陽の光があなただけを照しているような
日々は遥か遠い夢 咲き終えた花みたいだ
私たちの恋を言葉だらけにしないで
消えていった今日に
愛することと諦めることの区別がつかなくなった
終わることばかりを考えてしまうような
夜の闇の中で 私はそっと
テディベアの横で眠る
あなたはきっと
知らない誰かの横で眠る