あこがれ
絶え間なく繰り返すフラッシュバックと日々ここでなく、どこかにある理想に縋っていた
終わってしまった時間は、未完成の今日になった
ねぇ、身の丈ってもんがあるんだってさねぇ、諦めることも大事だってさ
叶わない、つまらない、無理のない人生を有り難がれってのか
ねぇ、報われんのは一握りだってさねぇ、普通が一番幸せだってさ
言い訳を慰めに取り違うほど落ちぶれちまったなぁ嗚呼
憧れは残酷で
いつまでも綺麗に残るから
遠ざかっていくほどに近づきたくなるなんてそりゃないだろう
呆れてしまうほど単純で、明快な答えに気づいた頃には少しだけ夜になっていた後は、暗くなるばかりだった
ふいに混ざりたくなる手の鳴る方へ
誰かを囃す方が気楽で
行き詰まった時を待って、それ見たことかって何もせず、口だけでいいんだからさ
シャツを干し終えた朝に知った色褪せた色はもう戻らないことを
使い切る前に捨てたペンのインクが、今になって惜しくなった
ねぇ、深夜0時、針を回さないでよねぇ、やり直しだなんて軽く言うなよ進みたい、戻りたい、止まりたい
どれを選びたいのかすらわからなくなっている
ねぇ、世の中はそんな甘くないってさ ねぇ、苦労するだけで意味がないってさ
割り振りで割り切れたあんた方じゃ分かり合えないよなぁもういいや
憧れは残酷で
いつまでも綺麗に残るから
木漏れ日が咲く日も、街を洗う雨の日も思い出すだろう心が途切れた数だけ結び目になって、絡まって
不恰好だとしても繋いでく
いつか、あとがきの最中で書き溜めた日々を見返す時
「あの時」から書き出す、もしもの話ばかりじゃ馬鹿みたいだろう?呆れてしまうほど最低で、最悪な結末を迎えたとし
ても
それでいい
それでもいいから夢を見たいんだ"