風にさらわれて
晃 須藤
あのローカル線の
赤い電車の窓から
国道沿いの街並み 光る水田の波と
鉄は錆びついて
石も割れて砕ける
にぎやかな祭りばやしも
風にさらわれて
泥だらけの手でつかんだ
ボールを宙にほうり投げ
空に吸いこまれて
見失ったあの日
さよならなんて
数え切れない程くりかえし
慣れてしまった 僕だけど
別れはやっぱり つらい
泥だらけの手でつかんだ
ボールを宙にほうり投げ
空に吸いこまれて
見失ったあの日
楽になりたくて
人を許してしまおうと
もがいてみても 果たせず
風にさらわれて 今は もう