大河の一滴
砂に煙る 渋谷の駅の
アイツと出逢ったバスのロータリー
俺の車線に割り込むバスの
窓際から小馬鹿にした微笑投げた
待ち合わせはいつも駅のホーム
またひとつ山手線が出てく
遅れるアイツに イラついた目で
悪態のひとつでもツイてやろう
時の流れは冷酷だよね
男はエゴイスト 女はボヘミアン
俺との思い出 抱いて寝てるかい?
けれども電話はかかっちゃこない
身を削りながら生きることも
忘れ去られながら老いてゆくのも
優しい素振りや 醜しい癖も
世間にとっちゃナンの意味もない
逢わせて 咲かせて 夢よもう一度
渇いた心に命与えて
酔わせて イカせて ダメよもう二度と
野暮な躊躇いも今はただ
ラケルの横道に埋めました
神が宣ふ、時代は変わり
答えは風に吹かれていると
心 ブルーにこんがらがって
転がる石は女の如く
人波に押され 溺れながら
子供らはどんな未来を描くの?
黒い瞳の見つめる先に
何が待ち受けているのでしょう?
あの頃 夢見た場所はどんなトコ?
愛しい誰かの腕の中でしょうか?
柔肌重ねて舐る夏の夜
初心な恥じらいはぼんやりと
暗渠にとけ出していきました
逢わせて 咲かせて 夢よもう一度
渇いた心に命与えて
酔わせて イカせて ダメよそんなこと
野暮な躊躇いも 今はただ
深い谷底に消えました
大河の一滴になりました
黒の円熟が薫りました