約束の橋
sano motoharu
君は行く
奪われた暗やみの中に
とまどいながら
君は行く
ひび割れたまぼろしの中で
いらだちながら
いつか孔雀のように
風に翼を広げて
西の果てから
東の果てまで
休みもなく
車を走らせてゆく
君は踊る
閉じたバラのつぼみの前で
背伸びしながら
君は踊る くるおしく
ミツバチの群れを すり抜けながら
いつか燕のように
風に翼を広げて
街の果てから
森の果てまで
振り向きもせず
車を走らせてゆく
今までの君はまちがいじゃない
君のためなら
七色の橋を作り
河を渡ろう
君は唄う
あわただしげな街の中を
かたむきながら
君は唄う
焦げた胸のありのままに
ためらいながら
虹の橋のたもとで
河の流れを見つめて
月の岸辺から
燃える砂漠まで
終わりのない
夜をくぐり抜けてゆく
今までの君はまちがいじゃない
君のためなら橋を架けよう
これからの君はまちがいじゃない
君のためなら河を渡ろう