白い砂のラ・メール
五郎 松井
窓辺の海に 掛けたシャツから
フランスの 貨物船が浮かぶ
あなたに宛てた まだ白い手紙
ぼんやりと 潮風に揺れてる
いまTOKYOがどんな星空か
気にかけている さみしがりや
ただ好きというだけの関係を
心はそっと 問いかけてる
いつだって忘れていなかった
そう つたえたいのに
てのひらを こぼれる砂になる
このあなたへの想い
朝の市場で 買ったフルーツ
太陽の香りに瞳(め)を閉じる
帰りの便も まだ決められずに
ためらいの レモンだけかじった
もうひとりて過ごす想い出など
ほんとはきっといらないのね
いつまでもふたりでいられると
そう 信じたいから
もう少し つよくなれるまで
このわがままをきいて
名前いりのHOTELの封筒
白い砂を送った
こんな気持ち わかってほしい
いつだって忘れていなかった
そう つたえたいのに
てのひらを こぼれる砂になる
このあなたへの想い
どこまでも青い海でいたい
そう あなたの腕で
ときめきを たった一度だけ
この夏にあずけたい