旅の途中
kishida shigeru
晴れわたった
空の向こうのすき間から
どこかに行ってしまいそうな心
どうしたの?
名前を呼んで振り向いて
ここは旅のまだ途中だよ
ここはバス停
木漏れ陽が照らし出す夢
二人で背比べした夕暮れ
キスしようよ
私のことつかまえてよ
次のバス停まで歩こうよ
あぁ どこまでも続いてゆく
砂利道を踏みならして歩く
あぁ 夢ならば醒めないでよ
はじけ飛んだ 綿毛のような心
バスが来た
見知らぬ行き先に微笑む
君の横顔がまぶしくて
海へ行こう
そしてまた名前を呼ぶよ
ここは名もなきバス停だよ
ここは旅のまだ途中だよ