風は野を越え
Shigeru Kishida
野の翳りを 翻すような 白銀の畝
パレットの淵 染み付いた薫りも 消えかけた
時代の花を すべからく集めて
残り僅かと 急ぐ景色を尻目に
風は野を越えて 群青の夜空を 駆け巡る
ひとひら はらり
群青の夜空を 駆け回る
然も 誰かが 呟いてたような 結末を
季節は跨ぐ 試みの地平線 弧を描いて
夜汽車は走る 音の無い世界を抜け
残り僅かと 急ぐ景色を尻目に
風は野を越えて 白んだ平原を駆け巡る
ひとひら はらり
群青の心に ひと雫
野の翳りを 翻すような 白銀の畝
パレットの淵 染み付いた薫りも 消えかけた