ないものねだり
秋元康
カーテンの裾の辺り
木目の床 底冷えする真冬の夜
ベッドの中 好きな小説を読んでいたい
ゆっくりと過ぎる時間が 心を癒してくれるの
慌ただしい日常の中 一人でいるのが好きになった
なぜ 人は誰も 目の前にある この幸せだけで
今日を生きられないの? もう充分でしょう
私 ないものねだりしたくない
このまま 眠くなれば
いつの間にか 部屋の灯り点けっぱなしで 夢の中へ
微睡める自由があればいい
なぜ 人は誰も 目の前にある この幸せだけで
今日を生きられないの? もう充分でしょう
私 ないものねだりしたくない
何かを失うなら
そこまでして欲しいものは 一つもない
今 持ってる すべてが私のすべてでいい
そう 目が覚めてもこのままでいい