イチリンソウ
Sayaka Yamamoto
ただ俯いて歩いていた 僕は春を見落としてた
どれくらい時が経ったのだろう
桜の花びらが舞っていた
すぐに忘れられるはずだ
胸の奥にしまい込んで 日向を探すの
こんな道の脇 咲いていた あなたはひとりきり
真っ直ぐに 煌めいて 強く強く
いつの日か 枯れること
知ってるかのように
今という瞬間を 儚く生きてる
そういえばあの時も今日と
同じような季節だった
どこからも光が失われ
何もかもがどうでもよかった
いつでも傷つかない事が
強くなれるという事ではないと分かったよ
いつも 気が付けば探してた あなたの事だけを
会えた時 強くなれる気がした
雨に濡れ 踏まれても 咲く場所を変えない
堂々と咲き誇る姿が今もずっと
変わらない僕の道標
ただ俯いて歩いていた
僕は春を見落としてた
桜の影に隠れてそっと
揺れていた白い妖精
こんな道の脇 咲いていた 一輪草のように
ひとりでも 咲ける花になりたい
雨に濡れ 踏まれても 咲く場所を変えずに
堂々と咲き誇れるような
また次の春が来たら あなたに会いたい
その時は今よりも 強くなった僕だ