鍵の数
陽水 井上
鍵を束ねてあんなに
とめ金まではずれる程
車も部屋も引き出しも
大事なものがあふれて
鍵と朝から一緒に
働いたり 微笑んだり
夜の帳が降りるまで
確かめたり 眺めたり
はにかむ程 この街をさまよって
思い出まで胸に閉じ込め
ひとりでいつまでも
傷ついていたいの
また出来事を日記に
書きかえたり 消してみたり
夜は眠りにつくまえに
まぶたにまで鍵かけて
愛がすべて 日々夜ごと夢枕
幸せまで胸に閉じ込め
孤独なこの街で安らいでいたいの
扉を閉めて今夜は
秘密にして数えてみて
悩みの数は銀色の鍵の数と同じはず